A QUOTE

214:名無しさん@恐縮です[sage] 11/02/12(土) 11:11:31 ID:pcr70yIl0(2)
「僕の弟」

僕には兄のような弟が居る
そんな弟を「芸人になろう」と誘ってコンビを組んだ。
これは僕たちがまだ東京に出てくる前
大阪で仕事をしていたときの話。

コンビを組んで7年。
ようやくレギュラー番組が増えだした矢先、
僕は”パニック症候群”という病気になってしまった。
この病気は人前に出ると吐き気がしたり呼吸が苦しくなったりする
芸人にとっては致命的な病気。

ある番組の収録中大勢の観客を見た僕は頭が真っ白になり
舞台袖から出られなくなってしまった。
仕方なく弟が一人で舞台に立ち、アドリブで20分
モノマネをしてその場を凌いでくれた。

そんなことが重なってせっかく増え始めたレギュラー番組は全部クビ。
京都でのラジオ番組が唯一となってしまった。
ラジオなら人前に出なくて良い
しかし、京都に向かう電車の中でも症状は出てしまう。
215:名無しさん@恐縮です[sage] 11/02/12(土) 11:12:17 ID:pcr70yIl0(2)
電車に一人で乗ることが出来なくなった僕は
礼二が家まで迎えに来て一緒に京都へ向かう日々が続いた。
それでも車中で症状が表れる回数は変わらず、よく途中下車をしていた。
そんな僕に礼二は
「今、伏見桃山駅やから、あと15分でつく。
とりあえず 次の次まで行ってみよか?」
と、励まし続けてくれた。

30分間ホームでただ黙って僕の隣に居てくれたこともあった。
レギュラーの仕事を失い
唯一残った仕事も集中してこなせない状況が続く。
電車は特急から各駅停車になっていた。

半年がたち僕は才能がある礼二に迷惑を掛け続けている状態が
耐えられなくなって
ある日電話で「俺、もう辞める」って言った
そしたら礼二が

「お前とやないとやってる意味が無い。頑張ろう」

と、言ってくれた。

「ゆっくり行こう」

その日も途中下車をして一緒に電車を見送った。

支えてくれた弟のおかげで今の僕が居る